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モニターの声 三ツ木俊之 様


プロフィール
バリアフリーのコンサルティングを手掛けるコクア・ネットワークス(株)の代表を務め、東京2020パラリンピックに射撃の選手として出場することを目指している三ツ木俊之さん。9年前の事故により腰椎などを骨折し脊髄損傷となってから、車いすを使用しています。三ツ木さんに、ミライロ・リサーチのモニター登録のきっかけや、モニター調査のやりがいなどを伺いました。

 

自分の視点が誰かの役に立つことが嬉しい


ミライロ・リサーチとの出会いは、通っている脊髄損傷者向けのトレーニングジムの会員メールマガジンで、ミライロ・リサーチのWEBアンケートの案内が来たことでした。“車いすに乗っている自分の視点が誰かの役に立てるかもしれない”とやりがいを見いだしたことを覚えています。このように感じた背景には、ある経験があります。

好きなアーティストのライブを見ようと、神奈川県内の音楽ライブホールへ行ったことがありました。その時、バリアフリーシートに案内されたのですが、ライブが始まり前の人が立つと、ステージが全く見えなくなりました。とてもショックでした。ライブ後、複合施設の管理担当をしていた経験も活かして、運営スタッフに改善点をメールで送りました。その返信には、「三ツ木さんに言われて初めて気づきました。改善のための参考にします』と言ってもらえました。嬉しかったですね。車いすユーザーだからこそ気づける視点があることを感じました。

ミライロ・リサーチのモニターとして参加することで、私だからこそ気づける視点を届け、施設の改善やサービスの向上に繋げていきたいと思い、モニター登録を決めました。

 

視覚障害のある人の意見が自身の視野を広げるきっかけに


モニター調査に登録してから約2年間、WEBアンケート、飲食店スタッフの接客応対調査、施設のバリアフリー調査などを行いました。特に印象に残っているのは、ミライロのスタッフと一緒に、1日6施設回ったバリアフリー状況調査です。普段は1日1施設を調査することが多いので、貴重な体験でした。

またモニターとして一緒に参加した、視覚障害のある方の意見はとても勉強になりました。ある施設から最寄り駅までのアクセシビリティの調査をしていた時、点字ブロックが設置されている道がありました。私は点字ブロックの凹凸がガタガタするため車いすを漕ぎづらいと思っていたのですが、視覚障害のある方にとっては命綱なんですよね。視覚障害のある方が、少しでも点字ブロックが切れていた道は、どこに行ったら良いかが分からなくなってしまうんです、と言っていたことは新鮮でした。

この経験から今では、点字ブロックが途切れていると視覚障害のある方にとってはいかに危ないかということに気づけるようになりました。他の障害特性の方の視点を聞くと、私自身の視野も広がります。

 

車いすユーザーの一人として声を届けていきたい

モニターのやりがいは、車いすユーザーだからこそ、気づくことを伝えて、施設やサービスの改善に繋げてもらえることです。企業側は、私たちが伝えて初めて何が課題かに気づくことが多いです。逆に言えば、言わないままでは、分かってもらえません。

モニターに参加するようになってから、バリアフリーに関して何が良くて、何が不都合なのかを言葉にして発信するようになりました。
ただ、私の意見は車いすユーザーの中のほんの一部であることも理解しています。自動車いすユーザーや手動車いすユーザー、握力が強い方、弱い方など多様な方々がいます。一つの事象を取っても、様々な意見があります。だからこそ今後も、車いすユーザーの一人として、自身の気づきを届けていきたいと思っています。足の不自由な方や、他の車いすユーザー、ベビーカーユーザーにも自分の意見が役立つと思うと、本当に嬉しいです。

 

射撃で東京2020パラリンピックに出場することが目標

今、一番取り組んでいること「射撃」です。目標は、東京2020パラリンピックにエアライフル種目の選手として出場することです。前回の東京オリンピックの1964年生まれの学年ということもあって何か運命的なモノを感じ、2020年大会には自分が選手として出場できたらと、2年前から射撃を始めました。

1発の満点は10.9点で、満点を狙うには10メートル先の標的の真ん中、直径0.5ミリメートルの点に命中させなければいけません。重さ5kg近い銃を抱えて身体を静止し、いかに集中力を高められるかが求められるスポーツなのですが、まだまだ経験が浅いので、日々鍛錬を積んで、目標を達成できるように頑張ります。